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「会議」という無駄な時間はそろそろ廃止にしないだろうか

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今回は世の中に溢れかえっている「会議」というものについて、改めてじっくり考えてみたい。

企業は「会議」であふれている

日本の企業全体においていえることだと思うけれど、どの会社もとにかく「会議」が好きだ。「◯◯会議」「なんちゃらミーティング」「〜の件打ち合わせ」と銘打って、一日に何度も会議が入る。これは急成長しているベンチャーでも同様のケースが意外と多い。みんな会議が大好きなのだ。

かく言う僕も、普段の仕事は会議で埋まりに埋まっていた。朝からチーム定例があり、個別での進捗報告があり、他部署との共同プロジェクトの打ち合わせが入る。そして、そのプロジェクトの会議を開くための相談が別途事前に入ったりする。これに加えて、取引先とのミーティングも入る。全部含めれば、一日のうち2,3時間は軽く会議に喰われている。もはや会議をするために通勤しているようなものだ。

ただ、これって本当に意味があるのか?と問えば、そのうちの9割以上が実は無駄だったりする。そして、それは僕以外のメンバーに問うても同じ反応が返ってくるだろうし、もっと言えば、世の中の会議に参加している人のほとんどが「会議って実はいらないんじゃね?」と内心では思ってるのではないだろうか。

そもそも会議の目的って何だっけ?

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そもそもだが、会議(ミーティング)ってなんのためにするんだっけ?ということを整理したい。あらためて考えると、会議には目的ごとにいくつかの種類がある。

報告・情報共有型会議

報告や連絡事項を伝達するための会議。売上状況やプロジェクト進捗、組織体制の変更連絡などを共有するために実施する。

意思決定型会議

何かのものごとを決めるために、関係者が集まり、意見を出し合って議論し、最終的にどうするかを決定権者が決めるために実施する。

問題発見・解決型会議

問題やトラブルが生じた際に、その原因を解明するために各関係者や専門家が集まり、多角的な視点から問題を考え、問題の原因発見を行う。また、見つけ出した問題を解決するための対策を練るためにも実施される。

ブレスト型会議

アイデアを生み出すことを目的に行われる会議。集まったメンバーでブレインストーミングを行い、意見を出し合い、それを発展させたり、組み合わせたりすることで、一人では考えられなかった素晴らしいアイデアを創出するために実施する。

他にも世の中には、会議という名目で上司が部下の教育をする「コーチング型会議」というものや、経営者や幹部陣から指示を伝える「指示命令会議」というものがあるらしい。とにかく会議というものはさまざまな形態をとりながら、本当に多くのビジネスマンの時間の比重を占めていることは間違いない。

なぜ会議が生産的でないものになってしまうのか

そのような目的があるにもかかわらず、なぜほとんどの会議が生産的なものにならないのだろうか。ミーティングの目的別にその理由を考えてみる。

①報告・情報共有型:「この情報いる?」と感じる内容がほとんど

進捗や現在の状況について報告したり、連絡をすることはたしかに大切だ。よくいわれるように「報・連・相」は組織として成果を上げるためには必要な仕組みだろう。

だが、実際の報告会議ではどうだろうか。たしかに報告はしているが、その内容はほとんどが「この情報っている?」っていう内容である。「その程度のことなら事前にデータを共有しておけばそれで事足りるんじゃないか」というようなものから、全く関係のないプロジェクトの議論が始まってただぼーっと座っているだけということもある。

会議はたいてい1時間や2時間というように時間を決めて行うことが多いが、時間の縛りがあることで、とりあえずその時間は会議をしなければいけないという暗黙のルールがある。それによって、不要な情報の共有が行われたり、関係のないメンバーまで会議に参加しなければいけなくなってしまう。

②意思決定型:「結局何の話だっけ?」とテーマから逸脱する

これもよくあることだが、「話が途中で脱線しまくる」。意思決定のために集まったにもかかわらず、あるテーマについて話しているうちに、「そういえば、〜ってどうなったんだっけ?」という話がポッと出て、みんながそれにつられてどんどん脱線してしまう。

③問題発見・解決型:余計な人まで集まり、いろいろうるさい

緊急会議が招集されたり、何かの課題を解決するために会議が開かれることもあるだろう。たしかに緊急性が高いものについては、すぐの解決が求められるため、関係者が集まって原因解明とその対策を練ることは必要不可欠である。

だが、この会議にしても注意点がある。スピードを高め、適切な結論を導き出すには、その問題解明や対応策を練るために本当に必要な最少の人数でやることが大切だ。しかし、参加者を集めるにあたり、建前で現場を知らない役職者を集めたり、直接関係のない部署まで集めて議論をし始めると、結局まとまるものもまとまらなくなってしまう。

④ブレスト型:「さて、案はありますか?」から始まる

クリエイティブなアイデアを創り出す際に、集まって議論することはあるだろう。このブレインストーミング型で集まることは一見悪くないよう気がする。みんなで集まって話し合うことで、一人では思いつかないアイデアも創り出すことができるということはたしかにありえるからだ。

だが、このブレスト型にも落とし穴がある。つまり、アイデア会議のやり方自体に問題があるケースが多いのだ。アイデア会議をするという話だけを共有を受け、メンバーが集まり、会議室のデスクに着いてから、モデレーターが「今日は◯◯というお題について話し合いたいと思います」と言い始めるケースだ。そこから参加者はいきなり思考をはじめ、案をひねり出さなければいけなくなる。

そんな付け焼き刃で出したアイデアなどその場しのぎでしかないことが多いし、人はどうしても他人の案を批判することがメインになってしまう。すると、議論が生産的になるどころか、まとまらずに時間が来てしまい、「では、いったん各自持ち帰って再度考えましょう」という締め方で結局何も案がまとまらないことが多い。

直接的な原因は何か

このように考えていくと、会議の目的自体が悪いというわけではなく、それを実施する方法や意図自体がズレてしまっていることが直接の原因だろう。そして、多くの人間が関係する会議では、それぞれの意図や思惑が交差しているため、本来の目的に沿ったアプローチがなかなか実現できないということは、致し方ない部分もあるのかもしれない。しかし、そうなのであれば、尚更会議の意味はないのではないかという結論にいたるのである。

会議がもたらす弊害は思っている以上に大きい

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上で書いたように、多くの会議が目的を果たさない無駄な時間になっている。そして、そんな会議が社員へ与えている影響は、我々が想像している以上に大きいものだ。

本当に行うべき現場のタスクが進まない

我々は何かしらの成果を上げるために働いている。つまり、何かしらの生産行為を行うことで、会社にとって付加価値を生み出すことが求められているといえるだろう。具体的に言えば、営業なら新規開拓や既存のアップセルなどの販売活動であり、マーケティングなら顧客を創出するためのマーケティング戦略の実施、人事なら採用活動や社内の人事制度・福利厚生整備など、生産的な仕事はたいていが「脳と手を動かす」ことである。

しかし、会議によってその時間が奪われ、日中に何時間も拘束されれば、自ずとその仕事が進まない。その結果、社内の生産性が低下する。当然といえば当然の結果が生じてしまう。

会議のための準備という無駄な工数が発生する

会議の影響は会議の時間だけに留まらない。会議を開くにあたり、"会議の準備"が発生する。会議のための資料作成、会議のための関係者連絡、会議のための会議、このような作業を全て合わせると、実は会議の倍以上の時間を会議へ費やしている。さらにこのような作業をするのは一人とは限らず、複数人で行うのであれば、準備時間×人数分の時間が発生する。時間計算した人件費に換算すれば、かなりの費用を会議へ費やしていることがわかるだろう。費用対効果、いわゆるコスパ的にそれが本当に見合ったものなのだろうか。

残業が増える

会議やその準備によって時間を奪われることで、本当にすべき仕事が日中にできない。しかし、仕事はやらなければいけない。その結果どうなるか。そう、残業が増える。

「残業時間を減らそう」「残業をなくそう」と高らかに宣言する企業は増えているが、その実、働く環境の見直しに本腰を入れている企業はどれだけあるだろうか。無駄な時間の見直しはされないまま、残業を減らそうと言っても効果はない。

無意識に社員のモチベーションが下がる

これも当然だが、会議によって仕事が進まず、残業が増えれば、社員のモチベーションは必然的に下がる。また、無駄な会議に時間をとられてダラけてしまうことで、尚更集中力は切れてしまう。生産性向上が叫ばれる昨今だが、モチベーションが下がったまま生産性を高めることは至難の業である。社員のやる気を高める環境をつくるとまではいかなくてもいいが、社員のやる気を削ぐような体制は生産性の低下に直結していることを把握すべきだ。 

成長スピードが落ちる

極端な話だが、社員が現場のタスクをする余裕がなくなり、資料作りに奔走するようになればどうなるか。確実に組織としての生産性は低下する。そして、生産性の低下は組織の成長スピードを落とすことになってしまう。さらには売上や経営状況にも影響を与えるだろう。無駄な在庫、無駄な人件費など無駄なものはスピードや売上に悪影響を与えるが、それと同じことが無駄な時間にもいえるのではないだろうか。

会議がなくならない理由

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なぜ多くの人が「意味がない」と感じている会議がなくならないのか。その理由を考えてみた。

①リーダーが責任をとりたくないから

僕は会議が多くなる理由は、リーダーもしくは担当者が自分で責任をとりたくないからだと思っている。自分が決めたと公然と言ってしまえば、何か問題があった時に自分の責任が問われてしまう。そもそも自分の判断だけで動くことが不安、という深層心理が働き、「みんなで決めたことなんだよ」と暗黙の内に示せる「会議」というツールを使っているように思う。しかし、リスクをとりたくないならはじめから自分が担当者となるべきではないし、ましてやリーダーなら尚更だ。

②やること自体が目的になっている

また、会議がなくならない理由として多いのが、会議を実施すること自体が目的になってしまっているケースだ。そもそも会議をやること自体が決められていて、それが"習慣化"されていることが、会議をやることを目的化させてしまう原因だろう。

"定例会議"は全く無駄でしかない

僕が特に無駄だと思っている会議は、「定例」と名のつく会議だ。

「定例会議」「定例ミーティング」「定例MTG」など会社によって呼び方は異なれど、週1回や月1、なんなら毎日という具合に、定期化されたミーティングがある。趣旨としては、定期的に集まり、売上状況やタスクの進捗について、日々話せていない事柄をシェアするというもの。

ただ、よく考えてみれば、そんなに共有すべき重要なことがあるのならリアルタイムですぐに共有すべきである。タスクの進捗や売上数字などは簡単にクラウド上でシェアできるようにしておき、いつでも確認できるようにしておけば済むことだ。そして共有がすぐでなくてもいいような情報はそもそも共有する必要があるのか自体を考え直すべきだ。そんな対策をとらず、定例という習慣だけで会議をやるのは無駄の骨頂である。

③上司が現場の状況を把握できていない

上司が普段から現場の状況を把握できていないことが会議を増やす原因の一つだ。他の作業に翻弄され、自分自身のチームの状況や部下の管理がおろそかになってしまうマネージャーは多い。しかし、上司にはチームの進捗や状況を報告しなければいけないので、定期的にメンバーを集め、今しているタスクやその進捗について質問する。そして、それを集約し、自分が普段から管理して指示しているかのように、上司に報告する。現場を指示し、成果を上げるためにマネジメントは存在するはずなのに、これでは本末転倒である。だが、多くの企業でこのような状況に実際に陥っているケースは多いのではないだろうか。また、ただ単に自分が現場を管理したいという支配欲から現場状況を収集するために、マネジメント層が会議を開くというケースもあるだろう。

このように見てみると、会議がなくならない多くの理由が、マネジメント側に原因があるとも考えられる。

まとめ:働き方を変えるなら無駄な時間を削ることから始めよう

今世の中では、「働き方改革」というキーワードが注目を集めている。日本を代表する大手企業から中小企業にいたるまで、「働き方を変える」動きはどの企業でも実施され始めている。最近ではその運動をプロジェクト化し、「働き方推進室」なる部署や室を設け、より積極的に仕事の見直しを図ろうという動きが巻き起こっている。

業務の棚卸しを施策として行う企業も増えてきているようだが、業務というよりも時間ベースで見た際に、どこに一番工数をかけていて、それは本当に必要なものなのか、ということをゼロベースで考え直すことが必要だ。その中で、「会議」の見直しはかなりのインパクトがあるだろう。無駄な時間を削減し、本当にやるべき・やりたい仕事に集中する環境をつくることは、自分自身のためにも組織のためにも生産的であるといえる。

一方、これまでさんざん会議に対し反対派の主張をしてきたが、会議の全てが必要ないと考えているわけではない。会議は現代だけでなく、数百年前の武士の時代にも存在していたし、さらにいえば紀元前の時代から、会合という形で存在していた。これだけ人類が誕生し、組織社会が形成された歴史と平行して、会議が存在し続けているのも、それが組織にとって必要不可欠なものだからに違いない。会議も何かを生み出したり、円滑にしたりするためのいわばツールである。であるならば、要はそれをいかに使うか、ということが大切だ。自分自身も合わせて、会議の在り方と意義について、改めて考えてみるべきだ。では、今回はこの辺で。

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