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さて、羊に戻るとするか

ベンチャー企業で実施して効果があった福利厚生おすすめ7選

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以前、あるITベンチャーでマーケティングの責任者をしていた際、社内の福利厚生や人事制度にも携わらせてもらっていた。
その企業は僕が入社した当初は10名ほどだったが、売上が伸びるとともに社員が80名近くまで増え、組織として色々と福利厚生も考えていくようになった。そこで幹部メンバーで議論し合い、さまざまな施策を取り入れていった。自分たちが働く会社をより楽しく、より快適にすることで会社の成長を促進することを考えた。
今回はその当時に実践してみて、実際に効果があった福利厚生と、逆に効果がなかったものを紹介したい。

福利厚生施策を考える上で重視した3つのこと

①目的は生産性を高めること

資本に制約があるベンチャー企業である。福利厚生といえども、単に社員満足度のためやリラックスのためだけに使うのはもったいない。あくまで目的は会社として生産性の向上であり、そのためにメンバーが楽しく快適に仕事ができる環境をつくる。という前提を意識した上で、施策を考案するようにした。

②他社で確証されている良いものをパクる

様々なやってみたいアイデアはあるものの、創業間もないころは無駄な費用は一切かけたくない。つまり、ギャンブル的になんでもとりあえずやってみようというのは危険である。その為、効果が出る確率が高い福利厚生施策をうっていくことが重要である。そのためには、既に他社で実践され、効果検証が行われているものを導入した方がコスパが良い。福利厚生にオリジナリティを導入するのは、採用ブランディングを強化したり、メディアへのアプローチを意識するときだけで良い。生産性の向上を目的にしている以上、検証済みのより費用対効果の良い施策をうっていくことにした。

③会社の方針に沿っているか

取り入れる施策が会社の方針や理念と合致しているかも意識した。方向性に沿わない施策を入れると、会社の雰囲気が論理的に支離滅裂となってしまう。単にトレンドだからとか、満足度が高そうだから、という指標だけで選ぶことは避けた。(おもしろそうという理由で選んだものは無きにしもあらず)

ベンチャー企業で試してみて効果があったユニークな福利厚生7選

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①会社の近くに住めば住宅補助

通勤・帰宅時の移動の負担を軽減する目的で、会社の2駅圏内に住めば住宅補助が出るようにした。

これはとても社員に喜ばれた。実質の給料アップになることはもちろん、これまで遠くから1時間以上かけて通勤していた社員も会社近所へ引っ越すことで、朝も今までより遅くまで寝られるし、帰りは早く帰られる。また、通勤時の混雑した電車に揺られる時間も大幅に軽減できる。そうすることで、社員の疲労を軽減し、生産性もアップするだろうと考えた。

逆に、会社に近すぎると、プライベートが阻害されるという意見もあり、プライベートを完全に切り分けたいと考える人は結構遠くに住んだままだった。しかし、一部の人でもそれで負担を軽減できることは会社としてもメリットがある。最近は多くのベンチャー企業で取り入れられているようだ。

参考にした企業:サイバーエージェント、ピクシブ、フリークアウト

②社員同士の飲み会補助

他部署の人を含めて飲み会を開けば、一人あたり飲み会代を3,000円補助を出した。一人につき月1回のみ利用可。
20、30人くらいの規模なら、皆仲良いし、特に導入せずとも勝手に飲み会が開かれるので必要はない。しかし、50人を越えたくらいになってくると、どうしても話したことがない社員が出始める。

コミュニケーションをとることで、直接生産性に影響が出るというわけではないが、何かのトラブル時や各部署同士の連携が求められる際に、相手がどういう人かわかっていることは大切だ。特にスピードが求められるベンチャーでは、一人ひとりの人間関係を大切にすることで、連帯感を生み出し、円滑な仕事フローをつくっていくことが重要だと考えた。

この施策は実際に利用する人がかなりいた。この施策のキーとしては、「話したことがない他部署の人を必ず一人入れる」というのがポイント。そして、人数制限もあった方が良い。5人以上の飲み会になると、ただの騒々しい飲み会になり、深い話はできない。飲み会でリラックスしてもらうことが目的ではない。あくまで飲みニケーションを通して、お互いを知り、人間関係を深めてもらうことが目的であり、つまるところは生産性の向上を目的にすべきだ。

参考にした企業 : Sansan

③無料コーヒーサーバー設置

これは実施している会社も多いだろう。会社の一番皆が行きやすい位置に、コーヒーサーバーを設置した。おすすめはネスカフェのこの機械。味はブラックのみだが、あとはミルクを入れるなり、砂糖を入れるなり、好きにしてもらう。

ポイントは費用と時間をかけすぎないこと。最初は、完全に自己満でおいしいコーヒーを飲んでもらうべく、コーヒー豆から煎る機械を買ってきたのだが、美味しいものの準備と片付けにめちゃくちゃ時間がかかった。さらに、コストも馬鹿にならない。だからといって社員にコーヒー代を請求し出すと誰も利用しない。美味しいもののあえなくボツにした。

そして、次にネスカフェのいろんなカフェを楽しめるタイプを試してみた。カフェラテや抹茶カフェラテ等、様々なバリュエーションを楽しむことができ、社員にも人気であったが、こちらはコストが結構高い。一つ利用あたり10円で利用するようにしてみたが、10円でも誰も利用しなくなった。自販機に150円は払えても、コーヒーサーバーに10円は払えないという現象が、行動心理学的におもしろかったがあえなくボツにした。
コストもかけず、片付けや準備の手間が楽なことを考えた結果、シンプルなコーヒーサーバに落ち着いた。実際、コーヒーの利用者はかなり多く、午後の眠くなる時間帯には大活躍した。

ネスカフェ アンバサダー 募集|ネスレアミューズ

④社内バースデーパーティー

賛否両論あったが、その月が誕生月であるメンバーを一斉にバースデーパーティーでお祝いした。パーティーなので、お酒もピザ、お菓子も会社負担である。エンジニア等、あまりわいわいするのが苦手というメンバーもいたが、これもメンバー同士の交流を深めるという意味で機能した。

特にハロウィンは皆で仮装したり、クリスマスパーティーでケーキを用意するなどすれば、皆がSNSで勝手に拡散してくれ、採用力でもプラスに働く部分があった。楽しいメンバーが集っているというアプローチは、会社のブランディングにとってもプラスに働くことが多い。

⑤昼寝スペース

個人的にもすごく快適だったのがこの施策。オフィスの一部を昼寝スペースにした。雑音を防ぎ、リラックス空間をつくるために、パテーションでオフィス部分と完全に隔て、ソファや床マットを敷いた。仮眠をすることによって、午後の集中力を高められる効果は科学的にも証明されている。女性も含めて、リラックスして仮眠をとれることが生産性の向上につながる。

参考にした企業 : GMOインターネット

⑥本の貸出しと購入補助

福利厚生と言えるかわからないが、会社の本を共有する”図書館制度”も導入してみた。置いている本は、自分たちのおすすめ本を勝手に持ってきて並べるのも良し、ビジネス書からデザイン、サイエンス、お笑いまで様々なジャンルを配置した。読みたい本をリクエストしてもらい必要と判断すれば購入するということもした。これで営業メンバーもWebに関することを勉強したりしていた。

このような本制度が直接仕事の生産性を高めるということはあまりない。しかし、会社として「こういう考えを持っているんだ」という雰囲気や理念を本棚を通して語ることができる。本棚は雄弁なのだ。ちなみに、『本棚にもルールがある』はおすすめの一冊である。

⑦オフィスグリコ

全くユニークではないけれど、単純に社員の満足度が高かったのは、オフィスグリコと社内自販機。特にMONSTERはバカ売れした。(ブラック企業というわけではない)
・外出しなくても手軽に買える
・外で買うよりも安い
というお手頃感が良い。そして、補充も業者がやってくれるのでスペースさえ気にしなければおすすめである。

オフィスグリコ | 【公式】グリコ

効果がなかった&失敗した福利厚生施策

①カラオケ大会

ストレス発散とコミュニケーション活発化を意図して、社内でカラオケ大会を開いた。YouTubeでボーカルなしのものを見つけ出し、アンプにマイクをつないで熱唱する。歌っている人間はストレス発散できるが、その他の人間は仕事にならない。そして、近隣への迷惑も甚だしい。1回開いて、すぐにやめた。

②椅子代わりにバランスボール

メンバーのデスクの椅子をバランスボールへ変えた。仕事をしながら、健康維持もできる一石二鳥を狙った。人によっては気に入って使っている人もいたが、長時間バランスボールに乗っているのは予想以上にきつく、徐々に元の椅子に戻るメンバーが続出した。かくゆう僕も早々にリタイアした。健康的なトレーニングも過度にやりすぎると逆効果である。オフィスの片隅に1個置いておいて、必要な人だけ適時それを椅子代わりに使う、というくらいで十分だ。置き去りにされたバランスボールの大群は予想以上に場所をくう。

③スポーツジム補助

近くのスポーツジムの法人会員になり、メンバーが安い料金で利用できる施策。よくある福利厚生で利用したいという人も多いだろうが、僕の働く会社ではほぼ誰も利用しなかった。

ユニークな福利厚生は採用力にもなる

資本力のないベンチャーにとって、なによりの資産は「人」だ。だからこそ、そこで働く人が快適に過ごせ、長期で生産性を高めながら働ける環境づくりをしていくことは必要不可欠である。

そして、福利厚生は働くメンバーのためでもあり、これから働くメンバーのためでもある。つまり、採用の強力なアプローチにもなりうるのだ。
現に、ユニークな福利厚生を打ち立てることで、メディアの注目を向けさせ、それによって採用ブランディングを高めている企業は近年多い。単に「楽しいメンバーがいる会社ですよ」「働きやすい会社ですよ」という宣伝だけではもはや差別化はできない。他社と違うこんなユニークな福利厚生アイデアを実践しているんだ、ということが人の注目を集める。

実際にその施策がうまく機能するかどうかは、やってみなければわからない。他社でうまく機能したからといって、自社でもうまくいくとは限らない。会社の文化もそこに集う人の個性も違うからだ。

だからこそ、良いものはどんどん試し、トライアンドエラーを繰り返しながら、企業としても成長していくことが求められていると思う。もしあなたが自分の会社の福利厚生施策を実施したり、考案する際に、少しでも参考になれば光栄である。

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