映画『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』がAmazonビデオで配信開始されました。
日本誕生はドラえもん映画の中でも、大好きな作品の一つ。早速視聴したところ、旧作映画『ドラえもん のび太の日本誕生』と結構内容変更されてるなーと。
そこで今回は、視聴した中で見つけた、新・日本誕生と元の日本誕生の違いを書こうと思います。
区別がわかりやすいように、『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』を「新作」とし、旧ドラえもん映画『ドラえもん のび太の日本誕生』を「旧作」とよぶことにします。
もちろんセリフや演出で細かな変更は色々されていますが、ここでは特に大きな変更があった点についてふれていきます。
※ネタバレが含まれていますので、まだ映画を観ていなくて、内容を知りたくない方は、映画を鑑賞後にご覧ください。
ドラえもん新作映画と旧作映画、大きく変わった15の違い
1. 犬笛というキーアイテムが追加
旧作にはなかった新アイテム「犬笛」が追加されました。これは未来道具ではなく、ククルが愛狼のローを呼ぶ時に使っていたもの。
旧作ではなかった新設定ですが、これがクライマックスシーンでのび太の危機を救う役目を果たすことになります。
新作は旧作のセンテンスをうまくつなげて、前後のストーリーに反映していますね。
2. どんぶらこ追加
新日本誕生では、未来の道具「どんぶらこ」が使われます。どこで使われるかはネタバレすぎるので書きませんが、伏線の使い方としておもしろいです。
ちなみに、どんぶらこが使われた映画といえば、『ドラえもん のび太の銀河超特急』。
のび太とドラえもんが西部の星で盗賊団と戦う際に利用したアイテムです。盗賊団を追う当初はタケコプターを使おうとすると、西部の星でのルール違反として怒られるのに、どんぶらこはいいのかと。思いっきり未来道具やん!というツッコミをいれたいですがw
3. "家出"というコンセプトが終始一貫
旧作では過去にいくきっかけにすぎなかった”家出”というコンセプトが、新作ではストーリー最後まで終始一貫して用いられています。
その中で、のび太の成長や、のび太のママとパパの子供への愛情が描かれることになりました。
4. 宴シーンが全面カット
「ドラゾンビさまに〜導かれ〜♪」っていう宴のシーンが全面カット。
もちろんジャイアンがそれに便乗して歌って困らせるシーンもカットで、花火もカット。 このシーンは食べ物も美味しそうですし、全体を通して少し休憩シーンとして好きだったので残念。
でもストーリー展開にはいらないっちゃいらないですもんね。
5. のび太のセリフを他メンバーへ大幅振り分け
旧作ではのび太が話していたセリフが、スネ夫やジャイアンなど他のメンバーへ大幅に振り分けられました。
新作では全体を通して、メンバー一人一人に焦点を当てることにフォーカスしています。なので、セリフも各メンバーが増えることにより、それぞれの存在感が増え、仲間全員での活躍シーンも増えています。
6. ククルののび太の呼び方が"さん"付けから呼び捨てに
旧作では「のび太さん」と呼んでいたククルが、「のび太」と呼び捨てに。
"友達"というコンセプトを強めた結果でしょうか。
のび太のククルに対する姿勢も若干変化し、洞窟でククルが眠れずにいるとき、旧作では優しく声掛けをして、断られてもそのまま去っていきますが、新作では断られたことを受けて喧嘩腰に。より少年っぽさがキャラクターに追加されました。
関係ないですけど、旧ドラえもん映画『ドラえもん のび太のアニマル惑星』では、メインキャラクター・チッポののび太の呼び方が途中から変わります。
もともと「のび太くん」だったものが、危機を救われ、自分たちの星を守ろうとしてくれているのび太への尊敬からか、途中から「のび太さん」と呼ぶように変化しています。
「くん」や「さん」の使い分けも設定があるのかもしれないですね。
7. ペガびいきから三頭均等化、むしろグリびいきに
もともと旧作では”のび太視点”でストーリーが展開され、ドラえもんが主人公なれど、のび太が実質の主人公の雰囲気がありました。
そのため、旧作ではペット三頭の中でも、圧倒的にペガとの接触が多く描かれており、「はいよーペガー!」と叫びながらペガと空の旅を楽しむ等、完全にペガびいきでした。グリとドラコは完全に脇役に徹する健気さ。
それが、新作ではペガびいきが消え、三頭それぞれの触れ合いシーンが描かれています。これはこれで良いですね。
むしろ、今回いきなり登場シーンが増えたのは、グリ。
新作ではドラえもんに主体が変更したこともあり、飛行中もグリが真ん中先頭を飛び、何かとグリが活躍します。
旧作で一番影が薄かったグリ。
制作陣がそれをおもんばかったのかもしれません。
8. ペガに跨るのがのび太と"ククル"
旧作ではペガにはのび太としずかちゃんが乗り、グリにドラえもんとククルが乗っていました。
しかし、新作ではしずかちゃんになり代わり、ククルがのび太とともにペガにまたがっています。ククルのキャラクターを強調させ、クライマックスののび太とククルの友情へつなげる伏線の役割なのかな。
僕としては、のび太としずかちゃんのコンビの方が良かったです。
9. つちだまが複数化
衝撃波を駆使するギガゾンビの下僕、つちだま。
旧作にも登場する1号機(と呼ぼう)はなんと、ドラゾンビにやられた失敗の責任でギガゾンビに破壊されてしまいます。
しかし、なんとつちだまはまだまだ存在しており、2号機、3号機、全部で5体くらいいます。でも、倒し方は旧作同様に瞬間接着銃!
10. 時空乱流の原因が解明される
ククルが飲み込まれ、ドラえもん達も吸い込まれそうになった時空乱流。
旧作では偶然生じた現象という感じで特に言及されませんでしたが、新作ではその原因が明らかになります。
このシーンをラストへの伏線につなげたのは面白いなー。
11. ギガゾンビが23世紀出身という設定が追加
ドラえもんとギガゾンビの決闘シーンが拡張され、22世紀製のやりでドラえもんが果敢に挑むも、全く勝負になりません。
そこでギガゾンビの口から衝撃の言葉が。
「わしは23世紀から来た」
なんと22世紀よりも未来から来た未来人だったことが判明します。
そしてそれに対するドラえもんの返し。
「1世紀負けた…」
なんかシュールw
12. 自分達でギガゾンビを倒す
旧作ではのび太の活躍で捕われていたドラえもん達を救い出すも、ギガゾンビにより通路を塞がれ、脱出ができない状況でタイムパトロールに助けられます。
しかし、新作ではのび太はドラえもん達だけでなく、ククルを含めた光族まで助け出す活躍を見せます。
さらに、解放された光族が暗闇族との全面バトルを繰り広げ、ドラえもん達の応戦により、ギガゾンビを追い詰めます。ククルはオリンピック選手顔負けの跳躍により、時空破壊装置の破壊に成功します。
13. タイムパトロールの活躍が大幅にカット
旧作ではマンモスに化けてギガゾンビの基地を探していたタイムパトロール隊。
遭難中ののび太を助け、ラストではのび太達の危機を救い、ギガゾンビを追い詰める活躍をします。
旧作はタイムパトロールの貢献度が絶大でした。のび太を救う方法が、ラーメンのおつゆだったのは謎ですが。(せめて麺もあげて)
しかし、新作ではその活躍が大幅にカット。
ドラえもんたちが自分たちの力でギガゾンビを追い詰めたことにより、タイムパトロールは最後に到着して良いとこどりみたいな感じになってました。
14. ドラミちゃんが登場
つちだまの破片の成分を調べるシーンやクライマックスのタイムパトロール登場シーンにて、ドラミちゃんが登場。
タイムパトロール隊を呼んだのもドラミちゃんの功績となっています。
15. ククルが大人になったシーンが観れる
エンディングテロップが流れる背景画で、ククルが大人になり、首長らしき人物になっている姿をドラえもん達がタイムテレビで観ている様子が描かれています。
そして子供と奥さんまで登場。ククルの成長シーン追加は粋な計らいですね。
まとめ
新作のダイナミックなカメラアングルは迫力がありますし、特にクライマックスシーンの大幅な変更はとても良かったです。
楽しんで観ましたが、でも僕としてはやっぱり慣れ親しんだ旧作の方が良いなーと思っちゃいますね。完全に懐かしさというテイストが影響してますけどw
旧作の日本誕生が公開されたのは、1989年。今から20年近くも前になります。
興行収入はインフレ率などは考慮せずで言えば、旧作が20億円、新作が41億円と2倍以上の収入になったみたいです。
でもだからといって、新作の方が良いというわけではなく、やはり旧作のストーリーが素晴らしく、長年ファンに愛されてきた普及の名作だからこそなし得たものでしょう。
今後も昔の作品のリメイクが出て来ると思うので、他の作品も楽しみです。 個人的には夢幻三剣士とか銀河超特急も早くリメイクしてほしい。
ドラえもん映画については、他にも記事書いてますのでよければ読んでみてください。
ドラえもんの超おすすめ映画をランキング形式で紹介する - ばんくもっしゅ
ではっ!