いつものようにスマホでニュースを読んでて知ったんだけど、最近日本マクドナルドの業績が回復傾向にあるみたいですね。
2015年に消費期限切れ肉使用や異物混入問題が次々と発覚し、消費者が離れ、急激な業績悪化・業績不振となってしまったマクドナルドでしたが、6月に日本マクドナルドが発表したところによると、2016年5月の全店売上高は前年同月比17.3%と増加し、既存店売上高では21.3%もの増加となったらしいです。
また、客数でも7.0%伸び、客単価自体も13.3%の上昇となったとのこと。
(参照:http://www.mcd-holdings.co.jp/financial/monthly/)
まだ問題発覚以前の売上には回復していないものの、2016年1月から3月の売上状況においても、営業利益では1億5,100万円の利益を上げ、黒字転換となったことからも、徐々に売上回復の兆しは見え始めているみたいですね。
マクドナルド業績回復の理由は?
様々な見解が主張されている
で、その回復の理由が何なんだってことに対し、ネットで検索してみると、各所でいろんな見解が言われてるみたいです。
例えば、期間限定商品の投入が良かったのではないかとか、店舗スタッフのサービス力の向上や原点回帰が功を奏したなど、その見解は人それぞれ。
マック(もしくはマクド)のIRを確認すると、日本マクドナルドの企業施策としては、『ビジネスリカバリープラン』というものが発表されています。
2015年は「堅固な基盤づくり」、そして2016年に「転換・収益性回復」を目指しているようです。
そして取り組みとしては、「1. よりお客様にフォーカスしたアクション」「2. 店舗投資の加速「3. 地域に特化したビジネスモデル」「4. コストと資源効率の改善」の4点が重要視されているらしく、やっぱり現状の見直しがメインみたいですね。
(参照:http://www.mcd-holdings.co.jp/irevent/index.html)
そして、このような取り組みが功を奏し、結果として売上回復になっているのではないかというのが予想として考えられているようです。
個人的に考える「マック回復傾向の理由」
果たして、現状の回復傾向がどのような要因から生じているのか。
もちろん様々な理由が複合的にあるでしょうし、「これだ!」と断定するのは難しいと思いますね。
でも、僕も一消費者として、最近マクドナルドへ再び通ってる身として、自分なりの理由を考えてみると、理由はもっと単純なものなんじゃないかとも思うんですよ。
何かといえば、つまるところ、
時間が経つにつれて「消費者の危機意識が薄れてきた」
というところが実は一番大きいのではないかと思うわけです。
喉元過ぎれば熱さを忘れるという諺がではないですけど、我々は許容するという文化的な要素が大きいのか、もしくは単に平和ボケしているだけなのかはわからないですが、良くも悪くも徐々に問題意識を忘却していくところがあると思います。
2015年にマクドナルドの食の危険性が叫ばれ、メディアで取り上げれば取り上げるほど、もちろん消費者への不安心理が煽られ、より一層顧客離れが起こりました。
でも、すでに問題が発覚した時から約1年が経過し、メディアでもその危険性が取り上げられる機会は減り、そこまで問題提起が行われなくなった。
そうなると、自然と我々消費者の意識からも過去の問題が遠のいていく。そして、いつの間にかその危険意識は解消されていったんじゃないか。という仮説が考えられます。
もちろん、我々消費者の問題意識が薄れていく過程で、マクドナルド側が行った施策に全く効果がなかったとは思いません。むしろ効果はあったと思う。
「品質の改善」を謳い、これまでの問題から健康志向へとベクトルを変更したこと、決算説明会資料でも挙げられていたQSC施策、つまり店舗スタッフのサービス向上、マックでは様々な施策がとられました。
ニュース記事を見ると、この施策は無意味だとか効果がないという方もいるし、一方ではスマイルの力で売上が改善されたという逆の意見の方もいました。
ただ、僕の意見としては、それぞれの施策がダイレクトに効果があったというわけではなく、間接的に効果を発揮したのではないかと思うんです。
いくら時間が経過していくにつれ、危機意識が薄れるとは言え、さすがにそのままの状態が放置され継続していれば、誰もお店には近づかないでしょう。
でも、マクドナルドから離れ、牛丼や他のファーストフードで食事をしている時にふと「久々にチキンフィレオ食いてぇなぁ」と懐かしい気持ちが湧いてきます。
その時、マクドナルド側がしている施策を思い出すわけです。
「ちょっと前は食の安全性が問題視されたけど、最近マック頑張ってるみたいだし、なんか雰囲気も変わってきたから、そろそろ問題ないんじゃないか?」と。
こうして自分の中でマックへ行く言い訳が作れる。
そして、「今のマックは前のマックとは違うんだ。マックへ行っても、まぁ前ほど食の品質が悪いわけじゃないだろう。最近ご無沙汰だし、久しぶりに行ってみるか」となるわけです。
こういう自分の中での自己正当化が多くの消費者の中で進み、その結果、時間の経過とともに、再びマックへと足を運ぶカスタマーが増えてきたのではないかと。
つまり、時間の経過とともにメディアでのマクドナルドバッシングが緩和され、各消費者の問題意識が薄れていったことに加え、彼ら一人一人がマックを再度食べたいという欲求を正当化できる言い訳がマクドナルド側の施策や努力によってつくられたことが、マクドナルドの回復の兆しの大きな要因として考えられるのではないかと思います。
マクドナルドは日本の外食文化か
そもそもマクドナルドが日本に創設されて45年が経過します。
僕を含め自分が生まれる以前からマックはすでに身近に存在している人は多いでしょう。約半世紀にわたって全国的に店舗が根付いていく中で、マクドナルドはハンバーガーという完全アメリカンスタイルな食べ物とはいえ、すでに日本人の外食文化の重要な一部になっているのかもしれないですね。
生まれた頃から普通に食べていたものが、1年や2年で簡単に見放されるということは考えにくい。
みんな色々な理由をつけても、昔から馴染んだマックを食べたいという気持ちがあるのかもしれないですね。
そう考えると、マックには是非今後も消費者の喜ぶ食事とサービスを提供していただきたいと思うばかりです。
あとがき
そういえば、この前マックへ行った時、いつものように注文して商品を受け取る際に、店員さんから「お待たせしました。いつもありがとうございます。」という言葉が返ってきた。
マニュアルのマックからすれば「いつもありがとう」という個別化した対応に少し驚いた。
こういうところからも、確かに変わってきているのかもしれないなと思う今日この頃。
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