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トップセールスマンと売れない営業マンの10の違い

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僕は新卒で社会人になってから約7年、常に営業という職に関わってきました。

そして、金融機関やIT企業で働いていく中で、多くの優れた営業マンと出会ってきました。

 

それは同じ会社の先輩や上司で会ったり、取引先の経営者であったりと様々で、売ってる商材も違えば、立場や人間性も全然異なります。

スマートなサラリーマンもいれば、ノリノリのチャラい人もいますし、逆に一見めちゃくちゃ気弱そうな人もいました。

 

しかし、その方々と一緒に仕事をしていく中で、めちゃくちゃすごい成果を上げる営業マン、いわゆる"トップセールスマン"には、幾つかの共通点があることに気づきました。

また、僕は彼らから学ぼうと、出来るだけ飲み会や仕事の席で色んな質問をぶつけました。すると、彼らの誰もが惜しげもなく、自分なりのノウハウを教えてくれました。

 

今回は僕がトップセールスマンから学んだ、「売れる営業マンと売れない営業マンの決定的な違い」についてご紹介したいと思います。

 

営業と一括りに言っても、個人向けの営業と法人向けの営業では相違が出てくるところもあると思います。そこで、今回は企業を相手とした営業、つまり「法人営業」の営業マンを想定して書こうと思います。

 

トップセールスマンに聞いた売れる営業マンと売れない営業マンの10の違い

トップセールスマンは、常に主体的である
売れない営業マンは、常に相手に合わせようとする

自社の商品を売るためには相手に気に入られなければいけないと考え、相手の要望をひたすら聞いてしまう。このような御用聞き営業になってしまうと、商談の主導権は完全に顧客側にあります。主導権が相手にあれば、値引き交渉や無理な要望へと話が進んでしまう可能性もあります。これでは適切な提案も出来ません。

トップセールスマンは、常に主体的であろうとします。商談の席では、相手の話を聞きながらも、自分が相手に合わせるのではなく、自分が適切な方向へ顧客を導こうとします。

それは相手を無理にコントロールしたり、誘導するというわけではなく、あくまで顧客の立場に立って、顧客にとって何が良い提案となるのかを考えながら進めていきます。

 

トップセールスマンは、大きく獲ろうとする
売れない営業マンは、とにかく最低ラインでもいいから獲ろうとする

売れる営業マンは大きく提案します。逆に、売れない営業マンはとにかく成績を上げたいがために、値引きに値引きを重ねた最低ラインでの提案をしがちです。

大企業との提携をバンバン決めてくるエース的な営業マンの先輩が、ある日教えてくれたことがあります。

「俺は無理やりデカく売上を上げようとしてるんじゃない。ただ、お客さんにとって適切なものを適切な量だけ提案してるだけ。逆にミニマムのプランでもいいから、とにかく始めましょうって言う方がよっぽど自分勝手だと思う」

本当にお客さんのことを考えたら、金額に関係なく本当に適切なものを提案しなければ、実際には使えないし、双方にとってWin-Winにならない。

 

トップセールスマンは、相手に話させる
売れない営業マンは、自分がひたすら話す

僕が営業に同行していて気付いたこと。それは、売れる営業マンはとにかく相手に話させているということ。

営業力を鍛える本などでも「質問力が大切」ということが最近よく言われてますが、トップセールスマンはとにかく質問に徹しています。

 

しかし、質問と言っても、単になんでも聞けばいいというわけではなく、幾つかの特徴があるように思います。

まず、その質問が短的であるということ。

「こちらの質問が長くなればなるほど、言いたいことがわかりづらいし、相手の返答は短くなる。だから、常に短的に要点をまとめて質問して、相手に話してもらうんだ」(以前の上司の教え)

次に、自分が言いたいことを質問の形で相手に言わせる。

「人は自分が考えたことには納得するけど、他人から押し付けられると反感を持つ。だから、自分が伝えたいことは質問の形で相手が自ずと答えるようにするんだ」 

結構ハードル高いですが、これができればめちゃくちゃ強いでしょう。

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トップセールスマンは、顧客を知ろうとする
売れない営業マンは、自社の商品・サービスを知ってもらおうとする

売れない営業は、自社のサービスや商品をひたすら売り込もうとしてしまいます。そして、それに相手が賛同してくれなければ、「なぜ相手はこの商品の良さがわからないんだ」と自問自答を繰り返すことになりがちです。

しかし、僕が見てきたトップセールスマンの多くが、意外なことに商品を売ろうとはしていません。自社の商品の良さを語る代わりに、顧客について徹底的に知ろうとします。

顧客の事業内容、課題、対面者の評価軸など、相手の状況を具体的にヒアリングし、その上で自社商品がどう貢献出来るのかを考えていきます。

僕の先輩でめちゃくちゃ売上を上げまくる営業マンは、「俺たちの商品自体に価値があるわけじゃない。価値とはお客が決めるもんだ」と教えてくれました。

 

トップセールスマンは、相手から頼られる
売れない営業マンは、相手から煙たがられる

売れない営業マンは、どうしても相手に買ってもらいたいという意識から卑屈になってしまいがちです。すると、顧客から信用されるどころか、単なる御用聞きになってしまい、こちらから提案しようものなら煙たがられてしまいます。

一方、売れる営業マンは、顧客からも非常に信頼されます。

「今こういうもの導入しようと思ってるんだけどさぁ、◯◯さんはどう思う?」というように、営業マンというよりは、むしろ"コンサルタント"のように意見を求められる現場を何度も見てきました。

それだけ信頼されていれば、何かあればまずはその人のところに依頼が来ますし、必然的に紹介も増えていきます。

 

では、なぜ彼らが顧客からそれだけ信頼されるかとなんですが、その理由のヒントになることをある営業コンサルタントの方から聞きました。

「僕は商談をする時は、一時的に自分が相手の企業に転職した気になって考えるんですよ。それで上司から『この商品を導入しようか検討してるんだけど、君はどう思う?』と聞かれた時に、自分はどう答えるかを想像しながら提案するんです」

「営業している」という意識が強ければ、どうしても「自社 対 顧客」という図式になってしまいます。しかし、自分が顧客の立場になって考えることで、本当に相手の身になった提案が出来るんだと思います。

そして、そのような提案をしてくれるからこそ、トップセールスマンは顧客からの信頼を集めるのでしょう。

 

トップセールスマンは、「あともう一件」と思う
売れない営業マンは、「今日はもう帰ろう」と思う

ある経営者の方とお話していた際に、「自分が考える営業の秘訣」を教えていただいたことがあります。それはその方が起業し、何もないところから飛び込みで仕事を作っていった時のことでした。

「僕は営業力があるとは自分では到底言えない。けれど、とにかく自分がやってることを続けようとしてきた。飛び込み営業をしてどれだけひどい断られ方をされても、とにかく次へ行こうと続けた。そして、夕方になってもう帰りたいなと思った時、『あともう一件だけ行こう』と思って営業を続けた。すると、その最後の一件で思わぬ契約が取れたりする。営業はとにかく続けることが何より大切なんだ」

まさに「継続は力なり」である。

 

トップセールスマンは、圧倒的な"量"をこなす
売れない営業マンは、言い訳して行動しない

「量は質に転換する」とはよく言われますが、実際にトップセールスの営業マンは圧倒的な行動量をこなしています。

普通なら面倒くさがったり、気が引けてしまうテレアポや飛び込み営業もバンバンこなし、そこからどんどん案件をつくっていました。

そして、数をこなせばこなすほど、経験値が溜まり、徐々に見極める力もついてきます。そうなれば、より一層受注率は高まり、受注件数も増え、仕事のモチベーションが高まっていく。という良いスパイラルに入っていけます。

 

サイバーエージェントの藤田晋社長も著書『藤田晋の仕事学』の中で、自身が勤めていたベンチャー企業で以前トップセールスを上げていた営業マンは、とにかく数をこなすことをためらわない人だったと述べています。

藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー

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トップセールスマンは、マインドを大切にする
売れない営業マンは、テクニックを大切にする

営業にはこれという正解があるわけではなく、状況やタイミング、相手のニーズによっても提案の仕方は全く異なります。さらに言えば、売れる営業マンの真似をしてそっくり同じ言葉で話したとしても、同じように顧客に伝わるというわけでもありません。

しかし、売れない営業マンはどうしても"テクニック"に走りがちです。売れる営業マンがやってる小手先の手法だけを真似して、付け焼刃で成果をあげようとしてしまいます。

一方、トップセールスマンは"マインド"を重視します。

「顧客の課題は何か?自社のサービスの意義は何か?」という本質的な疑問を自分へ投げかけ、そこから具体的な話法や手法を導き出します。

 

トップセールスマンは、商談以外の状況までコントロールしようとする
売れない営業マンは、目先の商談のみにフォーカスする

通常営業マンは目先の商談のみに集中しがちです。その商談でどういう提案をするか、どういう情報を掴みとるかなど、その場の商談の成否のみを考慮し、商談の席で相手が「良いですね、契約したいです」という言葉を言おうものなら、心の中でガッツポーズをしてしまいます。

しかし、実際に契約はその商談の場にいる担当者だけで決まるというケースは稀です。

実はキーマンは別にいたり、決裁フロー上、全く関係のない部署を経由しないといけない場合もあります。そうなると、その場でどれだけ良い返事をもらったとしても、その担当者が社内で上申した際に、同じように賛同をもらえなければ、結局契約は流れてしまいます。

その為、売れる営業マンは、商談時の担当者だけではなく、その後の決裁ラインやその場にいないキーマンをもしっかり掴もうとします。そして、彼らがどういう反応をするかを把握し、彼らに賛同を得るための方法を導き出します。

トップセールスマンは、自分の行動を振り返る
売れない営業マンは、振り返らずに次へ行く

今の職場に就いた時、営業ノウハウを教えてくれた仲の良い先輩がいるんですが、その先輩は部内で毎月トップセールスをあげていました。

しかし、その先輩は入社当時、皆んながバンバン売っていく中、半年経っても全く売れず、もう辞めようかと真剣に悩んだそうです。

そんな中でも何とか成果を出そうと考えて始めたのが、「毎回の営業を振り返ること」。商談が終わるたびに、「商談を終えた今の情報量があった上で、自分は同じような提案と質問をしただろうか?」と振り返りを行い、実際の営業内容と本来やるべき提案方法とを比べ、どこを改善していくべきかを一つ一つ洗い出し、それを繰り返していったそうです。

その結果、徐々に売り上げが上がっていくようになり、気づけば月間に5社契約が決まればすごい!と言われていた時期に、20社との契約を決めるという離れ業を成し遂げました。

量をこなしていくことは重要ですが、そこに反省や改善がなければ成果は出ない。自分のミスを振り返ることは嫌な作業ですが、それをコツコツとこなすことで、それが次の商談へと活きていく。

 

あとがき

多くのトップセールスマンに指導いただき、アドバイスをいただくことで、営業力があるとはお世辞にも言えない僕ですが、営業という仕事を続けられています。

上記すべてを一気に意識していくことは難しいですが、少しずつでも意識して仕事をしていくことで、働き方は大きく変わっていくだろうなと思います。

今回は僕が日々の仕事から学んだことを共有しました。ではっ!