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無駄な会議をなくすための環境をつくる3つの方法

無駄な会議がもたらす弊害

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前回アップした『「会議」という無駄な時間はそろそろ廃止にしないだろうか』の記事の続きを書いていこうと思う。

無駄な会議には出たくない。出ることになんら生産的なものを感じない。むしろ会議によって無駄な時間を消費することで、モチベーションは下がり、それに時間をとられて本来すべき仕事ができない。そんな悪影響を会議がもたらしていることを認識しつつ、世の中の企業は「会議」という習慣を継続している。

会議がなくならない理由は前回の記事で述べたが、マネジメント層が現場を把握できていない、責任者がリスクをとりたくない、会議という文化が習慣化してしまっている、というようなことが理由として考えられる。つまり、会議の目的が本来あるべき会議の目的から逸脱し、全くの無駄でしかないものとなってしまっているのだ。その結果、本来するべき仕事が日中にできず、残業が増える。残業や無駄な作業が増えれば、社員のモチベーションは下がる。それゆえ組織全体の生産性が低下する。という悪影響を及ぼしている。僕たちははその問題にもっと真剣に向き合い、そろそろこんな茶番から抜け出すべきなのではないだろうか。

勝手に会議に出ないようにしてみた

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「今日から会議には出ない」と宣言する

そこで、「今日から俺は会議へ出ないことにする」と、完全に独断で会議への参加拒否を表明してみた。

もちろんまわりは「は?」という反応である。だが、そんなこと知ったこっちゃない。無駄なことにこれ以上かかわる必要がない。まわりが変わることを期待するよりも、勝手にやってみるのが一番だと判断した。

といっても、僕も完全に社会性が皆無であるわけではない。その環境をつくるために事前に下準備はしておいた。各ミーティングの関係者へは事前に確認をとり(かなり揉めはしたけれど)、自分が出席しなくても情報は伝達できる仕組みもつくった。

また、自分が管轄している部門ではそもそも全員参加する必要のない会議には出ることを禁じた。「◯◯について打ち合わせしたいんですけど」という相談に対しても、「それって別途時間とる必要ある?」と今一度会議に時間をとる必要性についてメンバーに考えてもらうようにした。最初は戸惑うメンバーもいたが、そのうちじょじょにそういったMTGの相談も減っていった。そして、何よりも"会議に参加しなければいけない"という空気感の払拭をすすめた。

会議に出なくなったら生産性が格段に向上した

今まで一日に3,4回と平気で入っていた会議を、ほぼゼロにした。どうしても出席する必要があるものを除けば、会議の出席依頼は断り、自分の仕事を進めることに注力した。その結果、どうなったか。上の図をご覧いただきたい。会議 に出ない運用を始めて約1ヶ月が経過したので、ある日の働き方を比較してみた。

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まず会議を毎日卒なくこなしていた時は、日中はほとんど会議や打ち合わせに時間をとられてしまっていた。会議のための資料作成や準備を含めると、5,6時間以上を社内会議や社外との打ち合わせのために時間を割いている。そして、ミーティングがちょこちょこ入ってくることによって、合間の時間も集中して仕事をすることができない。集中して作業できているのは、午前中の限られた時間と全ての会議が終わった後の19時以降(もちろん残業)からだけである。実質は4.5時間程度しか集中して作業ができていない。ちなみに19時以降は日中の会議でくたくたになっているので、本当に集中できているかは定かではない。(いや、できていないだろう)

そして、無駄な会議に参加しなくなった結果(After)、劇的に仕事の効率が上がった。まず、日中はほとんどの時間を進めるべき仕事にフォーカスできるようになった。合間合間に打ち合わせも入らないので、集中して作業ができる。(定期的に休憩も含む)また、取引先とも相談し、お互いの時間を削減するため、オンラインでの会議に出来る限りシフトした。大画面のモニターを使えば、オンラインだろうが直接だろうがほとんど変わりはない。画面の共有も行えるので特に支障もない。来社いただいたり、訪問したりする移動時間も削減でき、体力的にも楽になる。

もちろん毎日このように自由に作業ができるわけではないが、以前と比較すれば明らかに実務に費やせる時間は増えている。そして、日中に仕事が進む分、残業も遅くならず、早帰りを進められている。

会議に出ないことで支障はないか

情報共有などで何か問題があったかといえば、全く問題はない。たしかに細かな情報でひろえていないものはごくたまにあるが、本当に些細な内容であり、本業へは影響がないものばかりである。むしろ不要な情報が入ってこなくなった分、無駄な情報に錯綜されることもなくなった。そもそもどれだけ無駄な情報を仕入れるために会議に参加していたのかということを改めて実感した。

そして何より、無駄な時間を減らしたことによって、本当にするべき自分の仕事に集中できるようになった。戦略設計や施策の実施に専念でき、プロジェクトの進捗スピードも加速し、これまで以上の施策の本数をまわせるようになっている。また、無駄な作業が減ったことでモチベーションとしても高まった(気がする)。個人的に考えても生産性は明らかに高まったといえるだろう。

また、チームとしても僕が会議で席を外していることが少なくなった分、コミュニケーションが加速し、細かな調整も速やかに進められるようになった。各個人が無駄な仕事に参加しないで良いという空気づくりをしたことで、自ずと打ち合わせの回数も減ったが、特にそれで困ったことはない。むしろダラダラと議論することがなくなり、さっさと実行する、というサイクルができた。

現時点で会議に費やす時間を省いたことは、個人的にも組織的にもかなり良い効果をもたらしている。

会議をなくすための環境をつくる3つの方法

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ではここまでのことをふまえて、どうすれば会議をなくすことができるだろうか。その方法を僕なりに考えてみた。

①現場にある程度の権限譲渡を行う

会議が必要になる理由は、決定権者(多くの場合、管理職などの役職者)が現場の状況を把握しておらず、正しい判断が出来ないため、現状を聞き、責任をうまく全体へ分散させてリスクヘッジさせながら、どうするかを決めるために実行されているからだ。

しかし、これはどう考えてもおかしい流れだ。だからといって、組織構成の話やマネジメントのあり方の話をし始めると話が大きくなりすぎる。そこで、いたってシンプルな解決策を考えた。現場の人間にある程度の権限を移譲することだ。

細かな部分までマネジメント側が確認しなければいけないという考えもあるだろうが、普段から現場を見ているマネージャーならまだしも、上司が現場の状況を理解していないのであればもはや現場の人間にどうするかの決済権をもたせた方が健全である。何よりスピードが早くなる。もちろん現場の人材の能力度合いにもよるが、ある程度の範囲であれば権限を譲渡し、現場で迅速な判断ができるような環境をつくることが考えられる。

②自動的に情報共有できる環境をつくる

上でも少しふれたが、そもそも自動的に情報共有ができる環境をつくっておけば、報告・連絡用の会議は必要ない。

たとえば、売上状況や営業実績、プロジェクト進捗状況であれば、Googleスプレッドシートを使えば、全員でリアルタイムで閲覧・編集できる。しかもタダでその環境がすぐに構築可能だ。それを見ればわざわざ会議を開く必要はないし、具体的な動きを知りたければ、個別にチャットで聞けばいい。もっと具体的な分析や簡易化をしたければ、SFAやCRMなどのクラウドサービスを利用するのも方法だろう。

ちなみに、それをモニターに掲載してまで会議をするケースも見受けられる。全員が情報をシェアできる環境で、本当にその会議が必要なのかどうかは、再度考え直す必要がある。

③どうしても会議が必要な場合のルールを設ける

そうは言っても、どうしても集まって話し合わなければいけない事柄はある。問題は会議のやり方や在り方である。では、会議を実施する際には、いくつかのルールを設けておくというのが生産的な会議をする上で大切になってくる。以下は、僕が実践している会議のルールだ。詳しい内容を書き出すと長くなってしまうので、ルールの概要のみ書く。

1) 最少の人数で行う

とにかく無駄な時間をなくすためには、無駄な会話を避けることが重要だ。そのためには、余計な参加者を増やしてはいけない。一つのテーマに対して必要最小限の人数で行うことで、コアな部分に集中でき、さらにスピードも早くなる。

2)  1回15分以内

1時間や2時間など長時間で会議を設定すると確実にダレる。人間の集中力はそんなに続かないし、ましてや意味のない会話がなされている状況であれば尚更である。そのため、1度の会議にかける時間を15分以内に時間制限をかける。そうすれば、その短い時間の中でしっかり議論し、意思決定をしなければいけなくなるので、参加者が一気に集中する。

3) 情報を事前共有しておく

会議室に集まってから、「さて、今日の議題は◯◯です。」と始まると、そこからその議題について各自が思考を回転し始めなければいけなくなる。急に良いアイデアは生まれないし、まずその内容を把握することだけでも時間をとられてしまう。そこで、話したい内容については、あらかじめ参加者に共有しておく。そうすれば、各自が内容を把握し、自分の意見をまとめた上でミーティングに出席するができる。

4) テーマをホワイトボード等で見えるようにしておく

これはちょっとしたテクニックだが、会議のテーマから逸脱してしまうことを避けるために、みんなが見える場所に会議のテーマを掲載しておくことがおすすめだ。おそらく会議室にはホワイトボードがあるので、ホワイトボードにその議題や課題をはっきりと書いておく。本当に意味があるのか?と首をかしげたくなるかもしれないが、人間は聴覚よりも視覚的にとらえた方が理解しやすい。百聞は一見にしかずである。だから、自分が考えるべきテーマを見える化することで、そのテーマに集中し、議論を進めることができるようになる。

ルールは組織体制や状況によっても異なるだろうが、上記の4つについてはどんなケースでも効率化できるのでぜひ試してみていただきたい。

まとめ

「会議をなくそう」ということは以前から唱われている。企業では、大手を中心に現在「働き方改革」ブームであり、その一環で「断捨離」という名の無駄を省く運動が盛んに行われている。しかし、実際会議の時間を大幅に削減することを実現している企業はほぼいないのではないか。

「会議を捨てる」という宣言は立派であるが、その実、それをどうやって実現できるかという方法を考えきれていないことが問題である。単に会議をやめるだけでは、もちろんトラブルが生じるだろう。情報の共有や意思決定のスキームがあることは、組織が成長していく上で必要不可欠なことである。つまり、大切なのは、「いかにして会議がなくても良い状況をつくるか」ということだ。会議がなくても、組織として必要な情報のシェアや意思決定がスムーズにいく環境をつくることが、事前に求められる。それなくして会議の撤廃はできない。

そもそも会議が果たしていた本質的な目的を考え抜いた上で、それを代用できる仕組みづくりを進めていくことが今後企業が働き方を変えていくためには課題になる。そして、生産性を追い求めるなら、それは早く取りかかった方がいい。

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