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さて、羊に戻るとするか

読書オタクの僕がおすすめする「良書と出会う方法・良い本の選び方」11選

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”本”というものは、世間に無数に存在している。現在一日に200冊以上が新たに出版され、年間では約8万冊もの本が出版されているそうだ。いかに速読スキルを身に着けたとしても、それだけの本を全て網羅して読むことは不可能だ。そして、出版される本を全て読まなければいけないというわけでももちろんない。確率でいえば、自分に合った良書は、出版される本の中でも0.1%もないだろう。そう考えると、無数にある本の中から、良書を選び出すということは至難の技である。

そんな中で、いかにして良い本と出会うか、良い本を選べるかというスキルは、ある意味我々にとって必要な技術であり、日常の生活を充実させる一つの方法である。今回は、僕が日頃やっている良い本を選ぶ方法を紹介したい。

本当におすすめしたい。良書と出会う6つの方法

好きな書店を見つける(本屋編①)

まず考えるべきことは、「どこで本を見つけるか」ということだ。本と出会う方法はたくさんある。「本屋へ行く」「図書館へ行く」「人に直接聞く」「ネットで調べる」「雑誌で紹介されているものを探す」などなど、本を見つける方法はたくさんあるわけだ。

その中でも、まずは「書店へ行く」という選択肢の中から、「好きな書店を見つける」ことをおすすめしたい。図書館も良いが、僕は自分のお気に入り本は持っておきたいし、書き込みや付箋をペタペタ貼ったりするので、やはり書店で本をチョイスすることが多い。電子化で本が売れなくなったと言われているが、そうは言うものの、いまだ書店は全国に無数に存在している。そして、本が売れない時代だからこそ、逆に尖った書店が登場してきているという一面もある。

書店には、規模・立地・ジャンルなどによってさまざまな形態が存在している。駅に併設された書店、商店街の一角にある書店、ビジネス街の喧騒の中に混じって建つ書店、紀伊国屋やジュンク堂のようなメガブックストアまでなんでもござれだ。そういった数ある書店の中で、自分が"好きだ"と思える書店をつくる。

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参照:aoyamabc.jp/store/honten

たとえば、僕は表参道にあるAoyama Book Center(通称ABC)が好きだ。ビルが立ち並ぶ裏手に隠れた場所にひっそりとある書店で、表参道をぷらぷらさまよっている時に偶然見つけたことがきっかけだ。「検索ではたどりつかない、本とアイデアを。」をコンセプトとして掲げるこの書店のポスターを見た瞬間、恋に近いときめきを覚えた。「検索」つまりインターネットにない発想でアイデンティティーを示しているその逆張りの姿勢に、Webに携わる者としてテンションが上がった。中に入ると、アーティスティックな本が並び、芸術、アート、デザイン、建築など普段読んでいるビジネス書とは全く違う分野での刺激を得られる。本屋の中を歩いているだけで、まさしく「検索ではたどりつかない、本とアイデア」を見つけることができるのだ。

f:id:majicpie:20170604223236j:plain参照:real.tsite.jp

他にも、代官山にある蔦屋書店もおすすめだ。超おしゃれな町並みをくぐってたどりつく、カフェが併設されたその本屋は、本棚ごとに”テーマ”が設けられており、そのテーマに見合うもののみが本棚に並べられている。そこに店員さんの意思を感じることができる。そういう本屋は、初めて訪れたテーマパークのように、歩いているだけでウキウキした気持ちになれる。

自分の好きな書店が見つかれば、その書店の本には高い確率で自分に合う本がある。定期的に訪れ、本棚の変化を見ながら、まずはその書店が推薦している本を見ていくのが良い。さらに、店員さんが意思をもって並べた本棚には、自分が興味のある本のまわりにも、良書がある場合が多い。一冊の本を手に取ったら、そのまわりもぜひ見渡してみてほしい。
本店 | 青山ブックセンター
代官山 蔦屋書店 | 代官山 T-SITE

普段読むジャンルとは異なる本棚に行く(本屋編②)

日頃自分が見ない分野の本に触れることで、新たな発見ができる。そこでおすすめしたいのが、自分が普段行く書店のジャンルのエリアではなく、別のジャンルの本棚を覗くということだ。

普段はビジネス書や経済関連の本をよく読む人であれば、アート、サイエンスの本棚を見てみる。小説しか読まないって人なら、逆にビジネス書の棚を覗いてみるのもいいだろう。本は新たな視点を与えてくれ、新たな知識を得られるものだ。しかし、自分がよく読む分野の本はすでにある程度知っている本が並んでいることが多い。マーケティングが好きだからと言って、マーケ関連の本が並ぶ本ばかり眺めていても、視野は広がらない。むしろ視野がどんどん偏り、狭くなってしまう。そうなると、新たな発見や刺激を受ける機会も少なくなってしまい、本末転倒である。

興味がなくても、ちょっと隣の書棚をのぞいてみる。気になった本を手にとってみる。そういう小さなことから、今まで気づかなかった新たな興味や関心が生まれることが多い。

悩んだらネットで口コミを見てみる(本屋編③)

書店に行き、気になった本を見つけたら、自分の直感を信じて買ってみるというのももちろん良い。しかし、なかなかそれだけでは決めきれないという場合は、スマホでさっと口コミを見てみるのもアリだ。本は読み手の感じ方によって、その書評も人それぞれだが、ある程度どんな評価なのかというものを参考として調べることで、購入するかの判断材料にできる。

一番手っ取り早い方法は、本のタイトルでググればいい。もしくは「(本のタイトル) 書評」や「(本のタイトル) 感想」などで検索してみるのも良いだろう。Amazonは一般の購入者が自分の感想を載せているので、さっと目を通してみる。他にHonzなど有識者が書評を記載しているサイトもあるので、そのようなサイトでオススメ度合いを見てみるのも手だ。そうやってざっくりネットで調べてみて、「どうやら面白そうだ」と自分が感じられれば即買ってみる。注意点としては、調べすぎないこと。ネット上では賛否両論あり、調べすぎると、他人の見解に翻弄され、結局その本への最初の興味自体が失せてしまいかねない。また、調べること自体に時間をかけすぎることももったいない。あくまで自分が読むかどうかを決める際の一つの判断材料としてネットを利用するのが良い。

尊敬する人におすすめの本を聞く

自分が尊敬する先輩や上司、友人、知り合いにオススメの本を聞くというのは、とても効率が良い方法だ。「読んでおもしろかった本は何ですか?」と率直に聞けば、基本的には誰でも教えてくれる。特に本好きの人であれば、好きな本を教えてほしいと言われて嫌な気分になる人はいないだろう。

仕事のハウツー本を仕事ができる先輩や上司に聞くのも効果的だ。トップセールスマンの先輩に「どういう本で勉強されましたか?」と聞けば、その人が実際に仕事上で効果があった本を教えてくれる。ハウツー本は山ほどあるので、本当に有効な本を見つけるのは難しい。だからこそ、実際に本の内容をアウトプットし、実践した上で有効だったものを教えてもらえることは、最短で良い本と出会える確率が高い。
ちなみに、営業の本でおすすめな本は以前に別の記事で紹介したことがあるので、興味がある方はそちらも読んでいただければと思う。
トップセールスマンに聞いた、営業で本当に役に立った本7冊 - Magic Pie

書評サイトで調べる(ネット編①)

インターネットで本の情報を集めることはもはや普通になっているが、ネットにはさまざまな意見が飛び交っている。ある人は「最高の名著だ」と賞賛し、もう一人は「まったく意味がわからない本だ」と罵っている、ということもしばしば。実際にどの見解が参考になるのか、その判断自体が難しいというのが現状かもしれない。

そこでおすすめしたいのは、自分が共感できる書評サイトを見つけることだ。ネットという媒体を一括りにするのではなく、ネットの中でも自分が集めたい場所をしっかりと見定めることが重要である。自分が賛同できたり、参考になったと思える書評を書く人を見つけられれば、その人が勧める他の本も高い確率でおもしろい。

最初は誰が良いか、どのサイトが良いか判断するのが難しいかもしれない。その場合は、なるべく有識者やその道のプロが見解を述べている書評サイトがおすすめだ。一般の方が書いている口コミ情報は書評というよりは感想が多い。参考にならないわけではないが、さまざまな分野の知見から述べている書評を読むことで、その本の理解も深まる。さらに、書評自体が普通におもしろかったりする。

ちなみに、どのような書評サイトが良いかわからない場合は、「HONZ」や「BOOK asahi.com」、「書評空間::紀伊國屋書店」がおすすめだ。いろいろ検索してみて、自分にあった書評サイトや書評家を見つけてほしい。

おすすめツール①:FeedlyでRSSによる情報収集

好きな書評サイトが見つかれば、そのサイトをブックマークして頻繁にアクセスするという方法も良いだろう。しかし、アクセスせずともキュレーションメディアのように情報が流れてくればもっと効率的に、情報収集が可能となる。そこでおすすめしたいのが、"Feedly"だ。以前から人気が高いRSSリーダーである。さまざまなサイトのRSS情報を登録することが可能で、そのサイトで記事が更新されれば、自動的にFeedlyに記事が流れてくる。そして登録しているサイトの記事をFeedlyで一括して確認することができる。なので、わざわざ一サイトずつアクセスして、記事の更新を確認する手間がかからない。非常に便利なツールだ。

僕はFeedlyに自分がお気に入りの書評サイトを登録しておき、そのサイトで新たな書評が更新されれば、自動的に流れてくるようにしている。そうすれば、Feedlyを見るだけで簡単に新刊や新しいおすすめの本の情報を手に入れることができる。

Feedly

著者・翻訳者・出版社で検索する(ネット編②)

著者、翻訳者、出版社で横串的に調べる方法も効果的である。おもしろい本を出している著者・翻訳者・出版社は対象となる本以外にも良い本を出版している確率が高い。なので、好きな作家や翻訳家、出版社をGoogleでググってみれば、自分が知らない他の本も見つけられる。出版社は大手になると大量に出過ぎているので検索はあまり使えないが、ニッチなジャンルのみを取り扱う中小出版社はそのジャンルの面白い本を多数出版している可能性が高い。その出版社のサイトに行ってみて調べてみるのも良いだろう。また、Amazonのページでは、本の商品詳細ページで、著者名をクリックすればその作家の著書の一覧を見ることができる。これは簡単に調べられる方法なのでおすすめだ。

おすすめツール②:Googleアラートで定点観測する

ネットで著者や出版社の情報を集める上で、"Googleアラート"がおすすめだ。Googleアラートでキーワード登録をしておけば、そのキーワードが関連するコンテンツやニュースを自動で収集し、定期的にメールで知らせてくれる。新刊や書評などの最新情報を集めやすくなるのでおすすめだ。

Google アラート - ウェブ上の面白い新着コンテンツをチェック

良い本の選び方 -本のチェックすべき5つの部分-

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タイトル

まず重要となるのは、当然だがタイトルである。良書はタイトル自体が魅力的であることが多い。タイトルにビビッときたらとりあえず手にとってみる。タイトルと合わせて表紙のイラストも見ながら興味度合いを自分で確認する。尚、あまりにも強調しすぎていたり、目立たせようとパンチが強すぎるタイトルであるものは逆に注意すべきだ。あまりにも主張しすぎるタイトルの本は内容が伴っていない場合がある。良書のタイトルはシンプルでいて、飾り気がないにもかかわらず、どこか美しい。興味をそそらせつつも、全てを見せない。まるで良い女のように魅惑的である。

まえがき

「はじめに」や「まえがき」には著者がその本で伝えたいことを凝縮している。そして本全体のコンセプトが記載されていることが多い。なので、前書きを読んでみて、自分がおもしろそう・興味があると思えるかどうかが、本を選択する際のとても重要な判断材料となる。前書き部分は長いものでも5ページ程度なので、興味がある本を見つけたら、まずはその部分を読んでみることをおすすめする。

目次

前書きを読んだ後に目を通すべきなのは、「目次」部分だ。目次部分を読めば、その本の構成と掲載されている情報の全体像がわかる。ここで気になる見出しを見つけたら、その部分を軽く読んでみるのも良いだろう。そうやってざっくり読んでみて、おもしろそう、読んでみたいと思えるかどうかを確認する。本を選ぶ際には、「おもしろそう」と直感的に思えるかどうかはとても大切な要素だと思う。

著者

”誰が書いていた本なのか”ということも確認ポイントとして大切だ。たとえば、僕はビジネス書、特にハウツー本を購入する場合は必ず著者を確認する。著者の経歴やプロフィールを見て、「実際に自分で事業を創り上げ、成功させた経験を持っているか」、「そのノウハウは実体験を元にして創り上げたものなのか」という点を確認する。優れた経営者や創業者が書いた本は、実際に経験と実績に基づいたノウハウである(そうでないものも最近は多いが)。逆にコンサルタントなどの経験が伴わないハウツー本に関しては、机上で練られたものが多い。一見優れたものに見えても、実用性が欠けたものも無きにしもあらずだ。なので、著者を確認し、その道のプロかどうか、自分が求めるものを持っているor知っている人なのか、ということを意識して本を選ぶことも一つの方法である。

装丁

CDのジャケ買いのように、本でも表紙のデザインで判断するという方法もある。自分が惹かれたデザインの本ということは、それだけ外装にもこだわって、丁寧につくられているということだ。つまり、本への愛情をもってつくられていることが多い。であれば、自ずと内容も綿密につくられているだろう。文庫の場合は基本的には同じものだが、ハードカバーの本の場合は装丁にも着目する。

さいごに

素晴らしい本との出会いは生活を潤し、自分の世界観を広げてくれる。子供のころに観たファンタジー映画『ネバーエンディング・ストーリー』の中で、本屋の主人コレアンダーさんが、主人公の少年バスチアンに「本は読んでいる間、自分が主人公になれる」と語る部分がある。この言葉が子供心にとても響いたことを覚えている。本は僕たちをさまざまな世界へ連れて行ってくれる。そして、体験したことがない未知の冒険、そして新たな"知"を与えてくれる。読書は本当に素晴らしい体験だ。

読書家のはしくれとして、自分なりに良い本との出会う方法、良い本を選ぶコツを日々考えている。それを考えること自体もおもしろい体験だと思う。読書好きの方、良い本を探している方に、少しでも参考になれば嬉しい。ではでは。

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