ぽいふるです。
いきなりですけど、今回は、SFアニメ『FREEDOM(フリーダム)』について語りたいと思うんですよ。
FREEDOMといえば連想するのは何でしょうか?
これ?
うん、確かにこれもフリーダムだけど、このフリーダムではないですねw
ちなみに、ストライクフリーダムでもありません。(シードについても話したいね)
そう、FREEDOMといえば、これ。
今から10年ほど前に、日清カップヌードルのCMで、2006年から2008年にかけて10回程に分けてストーリー形式で放送されたSFアニメです。
この作品のキャラクターデザインは、『AKIRA』で有名な大友克洋氏。
大友さんは最初で外れたらしいですけど。
カップヌードルの30周年を記念して電通が仕掛けたこの企画は、当時多くの反響を起こしました。
テーマ曲となった宇多田ヒカルさんの「This is Love」もカッコイイんだよね。
男のロマンが詰まったアニメ『FREEDOM(フリーダム)』
さて、このアニメですが、CMから派生してOVA化、つまりオリジナルアニメ化され、DVDBOXも発売されました。(もちろん買ったよ)
ちなみに、小説にもなってますね。
観たことがある方は既にご存知かと思いますが、オリジナルアニメは全7話で構成されています。
(当初は全6話の予定だったらしいんですが、人気な理由から7話が追加で制作されました)
※以下、ネタバレを含んでます。ご注意あれ!
ストーリーは、時は23世紀、人工衛星の衝突による環境悪化で地球文明が崩壊し、人類は月面に巨大なドーム型の都市・EDEN(エデン)を築き、移住していた。
そして、徹底した管理体制の下、人々は与えられた自由の中で、平和に暮らしていた。
ってとこから、スタートするわけです。
主人公は、感情的で好奇心旺盛な少年・タケル。
ナルト的な感じの性格で、ジャンプの主人公によくあるキャラですね。
で、そのタケルが、エデンの管理下にある自由に疑問を抱き始め、さらに崩壊したと教えられてきた地球が、実は蘇っていることを知ります。
そこから、エデンを脱出し、地球へと旅する冒険が始まります。
お決まりのパターンのSFアニメではあるんですけど、未来のレーシングカーであるビークルでのレースバトル、エデン脱出、地球でのフロリダへの旅、そしてフリーダム奪還作戦、などなど、目まぐるしく展開される白熱したシーンが目白押しでめちゃくちゃ面白いんですよ。
CM版とオリジナルアニメとの違い
そして、CM版とオリジナルアニメ版ではストーリーに若干違いがあるんです。
テレビCM版って、断片的に描かれていて、全体像がぼやけているところはあるんですけど、そんな中でも僕なりの解釈というか、CMを見て、それをつなげてストーリー立てるとこんな感じになるんじゃないかな。
「僕の推測するテレビCM版FREEDOMのストーリー」
好奇心旺盛なタケルが地球の現在を知りたがり、親友のカズマとともに自分たちの住む月面都市EDENを抜け出し、地球を見に行く。
↓
そして、初めて地球を見た時、その青い美しさに強い感動を覚えるとともに、エデンがこれまでひた隠しにしていた地球が蘇った秘密を知る。
↓
地球への憧れを抱いたタケルは、エデン当局の追っ手をかいくぐり、ロケットにてエデンを脱出し、地球へ向かう。
↓
地球の少女・アオと共に、エデンへ戻るが、エデン当局の察するところとなり、拘束される。そして、彼らを拘束したのは、なんとかつての親友であったカズマだった。
↓
しかし、カズマはエデン当局総帥に対し、人民の管理からの解放、自由を訴え、ビークルで脱走したタケル達一行とともに、フリーダムに乗り込む。
↓
フリーダムがついに打ち上げられたことを老人アランと総帥が二人で眺めながら、若者たちの旅立ちに新たな希望を抱き、もう一度人類を信用することを決める。
そして、タケル達を乗せたフリーダムは、地球へと新たな門出を歩み始めた。
ってな感じだと思うんですよね。(超ざっくり)
ちなみに、CM版の途中からの動画見つけたんで↓に貼っときますね。
では、そのストーリーとオリジナルアニメ版とは、どこが違うのか?って話になるんですけど、
その中でも最大の違いは、「タケルが地球へ行きたい理由」です。
CM版でタケルが地球へ行きたい理由は、「真実の地球の姿を知り、地球へ行ってみたいという強い憧れを抱いたから」というSFのストーリーに見合う夢広がる理由ですが、
ビデオ版ストーリーでは、その理由が
「写真の少女に一目惚れしたから」
というものに変わっています。
うーん、この理由変更は個人的にはしない方が良かったと思う。
ってか、それだけでエデン脱走して追われて、命懸けで地球行く?ってフツーに疑問出ますよね。
それなら、ありきたりかもしれないけど、地球への憧れ、未知への期待に対し、止められない志がある、ってストーリーの方が純粋に面白いと思うんですよ。
そして、ラストの場面。
CM版ではアランと総帥が、フリーダムの発射を見届けながら、未来を信じ、語り合うというラストで、これもありきたりながらキレイなラストシーンで好きなんですけど、オリジナルアニメ版では、アランが死に、タケルはカズマ達とは一緒にフリーダムに乗り込まず一人エデンに留まり、月と地球の友好関係を築く、という流れになります。
まぁ、ここまでは良いと思うんですが、その後、2年後に月と地球の友好関係を築いたタケルが、再び地球へ到着し、アオやカズマ、ビス達と再会を果たすんですが、到着した直後に「次は火星だ!」って言い放ってラストになります。
火星って、さすがに気が早いだろ。未知への好奇心でどんどん進んでいくタケルを表してはいますが、まずは火星よりももっと地球ですることあるんじゃないのかと思ったりします。
他に、全体を通してCGチックな動きが若干ミスマッチで残念だったり、全話で4年も経過してるのに、誰も外見が成長しないってところも残念。
地球の子供達も全然大きくならないし。どうせならそこまでこだわってほしかった。
まぁね、言い出したら確かに問題点はあるんだけど、それでもやっぱりこの作品は面白いんですよ。
宇宙、未来の科学都市、冒険、恋愛、というSF好きにはたまらない要素が詰め込まれてるんですよね。
そして、特に、僕が見所だと思うのは、タケルの親友であるカズマとビスの数奇な運命です。
カズマはタケルと一緒に真実の地球を目にし、その美しさから地球への憧れを抱き、タケルとともに地球へ行くことを希望します。
一方、ビスは超慎重派というか、安定志向の少年で、危険な地球への冒険などまっぴら御免。自分は残るという意思表示をし、タケルとカズマの地球行きの手伝いのみするということで行動を共にしてたんですよ。
なのに、彼らがロケット発射準備をしている最中に、エデン当局の追っ手が現れ、拘束寸前へと追い込まれてしまいます。
そこでカズマは、地球へ行きたい自分がまだ乗ってないにも関わらず、タケルを逃がすため、ロケットの発射ボタンを押すんです。
一方、ビスはロケット内で打ち上げ設定をしていた途中だったんですが、カズマによって、タケルと一緒にロケットで打ち上げられてしまいます。そして、行きたくないにもかかわらず、地球へと向かうこたになってしまったんです。
ここに、運命の不思議がありますよね。
地球へ行きたいと思っていたカズマが月に残ることになり、全く地球に行きたくなかったビスが地球へ行くことになる。
そして、その後、彼らそれぞれの生き方が大きく変わっていく。
僕の友人A君の話なんですけど、彼が就活をしていた時、A君の友人B君と二人でお互いがそれぞれ志望している会社に1社ずつ一緒に受けに行ったらしいんです。
そして面接していった結果、なんとA君が入りたかった会社にA君は落ち、B君が採用されたんです。
逆に、B君が入りたかった会社にB君は落ち、A君が採用になったそうです。
行きたかった会社と決まった会社が、完全に真逆になったわけです。
二人は自分たちが全く希望していなかった方の採用となってしまったんですが、それでも彼らはそれぞれその企業へ就職し、そして今でも立派にその企業で務めています。
僕はここに、人生の不思議を感じざるを得ません。
司馬遼太郎氏が、著書の中で「人は、その才能や技能というほんのわずかな突起物に引きずられて、思わぬ世間歩きをさせられてしまう」と述べてますが、才能だけにかかわらず、人は状況や置かれた環境によって、思わぬ方向へと流されていくことがあるんだと思います。
ただ、そんな中でも大切なことが、その流れに文句を言い続けるのはではなく、ビスやカズマのように、そこで自分ができることを最大限努めてみようと考え、前に向かって歩み続けることだと思います。
そうすれば、今まで考えてもみなかった道ながら、新たな発見や活路を見出すことができるんだと思います。
ちなみに、このアニメの場合は、カズマはエデン当局に捕らえられたものの、その後最高幹部として、当局での地位を確立することになり、一方のビスは、地球でこれまで経験したことがなかった自由な環境を味わいながら、ロケットの開発を進め、ちゃっかり彼女もできました。
思い出したらまた観たくなってきたなー。
TSUTAYAとかネットでもレンタルできると思うんで、興味ある人はぜひぜひ観てみてくださいねー!
ではっ!
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