「細田守監督の作品で一番好きなのは?」
と聞かれれば、多くの人が
「サマーウォーズ!」
と答えるでしょう。
うん、ぼくも、
時をかける少女、おおかみこどもの雨と雪、バケモノの子
の中なら、圧倒的に「サマーウォーズ」が好き。(バケモノの子見てないけど)
映画も数えきれないくらい見てるし、以前書いた記事でもちょこちょこ書いてるし。
でもですね、そんな大好きなサマーウォーズをおいて、あえて言いたいんですが、
細田守監督作品の中で、“最高の作品”といえば、サマーウォーズではないんじゃないか?と思うんですよ。
コアなファンや一部の方はご存知でしょうが、一般的には細田守さんが監督した作品とはあまり知られていない、隠れた名作があるんです。
そこで今回は、僕が考える「細田守の最高傑作」の映画をご紹介したいと思います。
※映画やテレビアニメ版の【ネタバレ】が入ってますので、ご注意ください。
尚、めちゃくちゃ個人的な感想ですので、「それちげーだろ」ってことがあっても大目にみてやってくださいね(笑)
細田守監督の最高傑作はこれだ!
もう早速、結論言いますね。
それが、これ。
『デジモンアドベンチャー【劇場版】』です。
は?デジモン?って思われる方もいるでしょう。
でも侮るなかれ。この映画マジでクオリティ高いです。
そもそもデジモンアドベンチャーといえば、1999年に放送されたテレビアニメが有名で、テレビ版の監督は別の方がやっています。
ちなみに、テレビ版のデジモンアドベンチャーもめちゃくちゃ好きです。パタモンがエンジェモンに進化して、デビモン倒すシーンなんて今見ても感動もの。
オープニングの和田光司が歌う「Butter-fly」も名曲だし、進化の時に流れる「brave heart」は最高にテンション上がります。カラオケに行くならぜひ歌いたい一曲。
って、話それまくってたので、元に戻します。
話は、劇場版、映画デジモンアドベンチャーです。
実は、テレビアニメが公開される直前に、映画で劇場版が公開されており、その映画の監督が、細田守監督なんです。
細田守のデジモンは何が良いかって、
ポケモンとたまごっちの中間的な立ち位置で制作された、完全子供向けのアニメである「デジモン」を、大人が観ても楽しめる、重厚な演出とストーリーに仕上げているところ。
例えば、テレビ版のデジモンは、敵とバトルして攻撃をしかける際に、それぞれ攻撃の技名を叫ぶんです。
ワンピースのルフィが「ゴムゴムの~ピストルー!」って言ったり、ドラゴンボールの悟空が「かーめーはーめー波ぁぁあああーーー!!!」って言うみたいに、アグモンなら「ベビ~フレイム!」とか叫ぶんですよ。
少年漫画にはよくあるパターンです。
もちろん、これもこれでカッコイイんですけど、実際、ガチで戦ってるときに、いちいち技名とか叫ばんですよね。
一方、細田守のデジモン作品は、デジモンたちが一切ワザ名を叫びません。
デジモンをアニメキャラという立ち位置ではなく、“ゴジラ”的なものとして“恐さ”さえ感じる設定にしています。
なので、テレビではあんなにおしゃべりなアグモンも、劇場版ではまったく話すことがなく、しかもデカい。(※劇場版第二弾の僕らのウォーゲームでは話しますし、サイズもアニメに合わせてます)
そして、ボレロの厳かなメロディーに合わせて、夜の街を闊歩する光景が、アニメというより、「ジュラシック・パーク」を思い起こさせるような雰囲気があるんですよ。
そう、そのボレロの曲チョイスもさすが。
映画中のBGMは、ほぼラヴェルの「ボレロ」のみで、静かで単調なメロディーが徐々に強く展開されていく流れが、迫力を増してます。
そして、クライマックスの戦闘シーン。
敵であるパロットモンに対し、劣勢なアグモン。そんな絶対絶命のピンチで、アグモンが進化を遂げ、グレイモンになります。
ここでも、テレビ版のように「アグモン進化~~!グレイモンッ!!」みたいな決め台詞を言うことはなく、モンスターが巨大化するように進化を遂げます。
そして、太一のセリフがグレイモンに対して放った言葉がカッコよすぎる。
「撃て」
つぶやきに近い言葉ですが、その短い一言に込められた驚愕と恐怖と勇気に呼応して、グレイモンが一気にバスターを放つんですが、これも圧巻の迫力があります。
20分間の映画とは思えないクオリティです。
ちなみに、僕は子供の頃、この映画の公開時に映画館に観に行きました。
当初、この映画と同時上映される「遊戯王」を目的に行ったんですけど、観終わった後は、完全にデジモンの気分に浸ってました。
テレビアニメ版でも細田守作品は一線を画している
細田守監督は、それ以外にも、テレビアニメ版の21話も演出監督として担当してるんですが、この21話「コロモン東京大激突!」も他の回とは一線を画す雰囲気を醸し出してます。
場所は現代(1999年当時)の日本であるにもかかわらず、どこか無機質な空虚感のある情景で、全体の不思議な雰囲気は変わりません。
太一の妹の光も、映画同様、どこか不思議な雰囲気を持っています。
そして、テレビ版は他の回と合わせるために、アグモンのサイズは小型ですし、言葉も話しますが、それを出来るだけ避ける目的だったのか、アグモンではなく、コロモンの状態で話をすすめています。
そして、アグモンに戻り、敵と戦う際にも、やはりワザ名は叫ばない徹底ぶり。
さすが。
サマーウォーズはリメイク作品だった?!
そして、劇場版第一作の人気から、第二弾である「デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム」でも、細田さんは監督を務めています。
で、この作品を久しぶりに見てたんですが、
これって完全に「サマーウォーズ」なんですよ。
観てない方のためにストーリーはあえて書かないですけど、とにかく場所設定やストーリー、出てくるキャラなども、すごく似てます。
これとか、オズの元になってそうですね。
ですが、この映画は40分程度の長さであるにもかかわらず、クオリティが高く、非常に評価が高い作品です。
サマーウォーズはこの作品に、さらに家族愛や恋愛要素が盛り込んだ形ですね。
サマーウォーズもすばらしい作品ですが、その元となったこの作品も、テレビのデジモンとはやはり一線を画してます。作画は圧倒的にサマウォの方が良いけど。
二つの映画の比較記事もありましたので、興味のある方はどうぞ。
あとがき
これだけデジモン語ってると、めちゃくちゃデジモン見たくなってきた。
それで、デジモンが懐かしくなってググってたら、なんとこんなものを発見!
やばい!デジヴァイスだ!!
一家に一台!デジヴァイス!(謎)
ではっ!
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